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関東大会 競技3日目

いやなんと特筆すべき点のない日か。
午前中はだれが見てもサーマルなんてない。空気の動きを表す波動関数の時間微分は妻沼周辺では0であっただろう。
どの選手も周期運動の式に従うように離着陸を繰り返す。これは数学的には美しいが、選手にとってもクルーにとっても精神的肉体的によくないことは明らかだ。

そんな中、一人の男がランウェイでひざまづいている。いったい何をしているのだろう?妻沼の土でも拾って帰ろうとしているのか?彼が頭をもたげるその先、東大3年生チームの機体である東大Jr.の垂直尾翼の左側、そこには不気味にほほ笑む太陽。やつはサーマルをつかさどる天使だ。
2010121912240000.jpg

閃光。その一瞬のあと-----------


「千代田クリア。高度700。」
「先ほど千代田クリア。」

各機からワンポイント達成の無線がはいる。妻沼を支配する空気の層が、胎動を開始した、己の存在を急速に主張し始めた。

しかし、---------

「まだだ。」
神納が言う。彼の説明ではまだ機体の飛行軌道はz軸方向の微分が可能な程度の緩いものだということだ。なるほど、ランウェイ付近に機体が集中しすぎている。拡散していく様子はない。あがりが弱いために遠くへは行けないようだ。ランウェイ上空の領域の機体密度が次第に高まっていく。そしてついに

「機体が集中しすぎているので発航を一時見合わせます。」

交通規制?!初めてみました。発航を目前にして大空へのゲートを閉じられた東大Jr.のパイロットがコックピットのなかで何か言いたげにしているが、翼端をやっている俺には翼を伝わってその思いが嫌なほど伝わって---こない。そんなことより剥がれかけているベンチュリー管のビニールテープをだれに張りなおしてもらおうかと必死に悩んでいたところなのだから。
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『この大空に、翼をひろげて』たった一つの青春がここに― 風戸依瑠Ver